石段の枝分かれには、こんな雰囲気のある坂も。(右)
 左の下り坂の先は崖っぷち。
 紹介があとさきになりましたが、走り湯の向かいには資料室があって、そこの江戸末期を再現したジオラマと、現在の地形がまったく同じなのに驚かされました。
 さて石段を登りきると、広場に出ます。桃色のビルが、伊豆山地区の集会所。共同湯も併設され、ここで走り湯に入浴ができます。
 左の石段の上を国道が走ります。
 なおこの石段はそもそも伊豆山神社の参道で、この先も続き、山頂の神社まで837段もあるということです。
 14:30の営業を待って、広場の椅子でひと休み。やがて管理するご婦人が「お待たせしましたぁ」と声をかけてくれて、入館します。浴室には、4人でいっぱいという浴槽ふたつ。お湯の色は薄い笹色です。
 浴槽のお湯を洗面器にくんで身体を清めると…
 あれっ?、持参した石鹸では泡が立たない!
 走り湯は塩分が濃いんだろうなぁ。(詳しくいうと、泉質はカルシウム・ナトリウム−塩化物泉)
 では、と、身体をお湯に沈めます。この日の温度はちょい熱め。左の浴槽には「ぬるめ湯」とプレートがありましたが、左右とも同じ熱さでした。
 肌あたりはさらりとしていて、塩泉特有の肌が浄化されるような感じがあります。あゝ極楽極楽。
 次に入ってきたお客さんは地元のおじいちゃん。浴槽の中で並んで “裸のお付き合い”
おじいちゃん「5月にはあの広場で伊豆山神社のお祭りがあってね。舞台でお稚児さんが踊るんですが華やかでねぇ。見に来てやってください」
 風呂あがりはぐったりすることもなく、柔らかい温浴感が続きます。この風呂あがりの優しさみたいなものが、お隣り熱海温泉とは違うものを感じますね。
 900年前、頼朝が源氏再興を決心した同じ温泉で、おやじはまた平和な春がきたなぁと幸せを感じたのでした。
 帰宅は17:50、総走行164km。
「伊豆山浜浴場」 入浴料¥350-
熱海市伊豆山579-37 0557-80-0210
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