別所温泉を発つと、ひと山こえて青木村を走る。話は横道にそれるが、僕の母方の姓は「青木」と言って、ここの出身だ。地侍であった先祖は、この地名を姓にいただいて、青木茂太夫(あおき・もだゆう)と名乗っていた。槍の使い手だったという。乗馬の名手だったら、ライダーの僕と関連づけられたのに、残念である。
 遥か彼方にそびえる子壇嶺岳(1,223m)。その奥にあるのが虚空蔵山(1,139m)。
 いずれも、信州四賀の人々の信仰する山で、天空を司る仏、虚空蔵(こくうぞう)に守られた山々。
 走る。
 右に、左に、旋回する。
 槍の使い手の子孫(?)は、こうして鉄馬で山を走るのである。
 道は県道12号線。青木村と信濃大町とをつなぐ複数の道は、みな走り応えがあるワインディングロード。単車と次々にすれ違う。この県道を登りつめると、やがて聖湖に出会う。(下)
 この小道(矢印)がR498で、3年前に、上山田温泉からここまで登った山道。あまりの険しさと山深さに、絶望感に襲われた屈辱の道である。あとで地図を広げると、このR498は県道12号線をまたいで反対側に、R501として続いているじゃないか。これは、このままじゃ終われないですよ。
⇒泣かされた
R498はコチラ
 さぁてここからが、今回の旅の目的だ! 説明しよう。
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