浴室もそうとう年季が入っている。タイル張りの小さな浴槽に、透明のお湯が満たしてある。薄汚れた浴室の印象とはうって変わって、お湯からは清潔な感じのする金気臭が立ち上る。持参した石鹸で身体を洗ってから、浴槽にしずしずと身体を沈める。源泉は59度だが、浴槽は40度と適温。
しばし瞑想にふける。
意外なのは。効能がじわじわ身体に入ってくる感じが強い。時々身体がブルッときて快感。額にじわじわ汗が浮き出てくる。
静かなひととき。開け放した窓から、往来のクルマの音だけが聞こえる。泉質はナトリウム炭酸水素泉・硫酸塩・塩化物泉と一般的なものの、効能は一級。管理人さんに聞くと、毎朝時間をかけて満たすそうだ。
風呂あがりに、源泉井戸ものぞいてみる。周囲の旅館に、給湯パイプで配ってあげているようだ。足元に写っているのは、井戸を番している猫?近づくと、後ずさりして「にゃー」と鳴いた。
風呂あがりのライディング。(右) 風が身体を抜けて、爽やか。二ノ湯温泉は、箱根温泉のメインストリームではないが、日頃の喧噪を忘れるのにはぴったりだった。
これで残すは、塔ノ沢、堂ヶ島、木賀、姥子、湯ノ花沢、小涌谷、蛸川、芦ノ湖の、八湯。
箱根十七湯、制覇までの道のりは遠い…。
「亀の湯」
0460-82-2344
神奈川県足柄下郡
箱根町ニノ平1080
入浴料¥550-