2023年09月26日(火) 曇り時々小雨 現地気温25度
僕のウェブサイトでは “お昼ごはんより前に入浴することは朝風呂と称する” ならわしだが、きょうは正真正銘の朝風呂。ホテルをチェックアウトして、8:45に戸倉国民温泉に。
話は横道にそれるが、戸倉上山田温泉が、お湯以外で気にいっていることがある。ここはすべての温泉が成分や効能を表示していて「源泉が自慢の立ち寄り温泉です」と胸をはっているのだ。町の共同湯や銭湯のようなところも、「立ち寄り温泉」という位置づけを望んでいる…ような気がする。そのなかでも戸倉国民温泉は、いちばん銭湯っぽい。でも銭湯っぽいのは建物だけ。なぜなら駐車場は20台近く駐められる規模があるし、近所のお年寄りの軽自動車はあるにはあるが、首都圏ナンバーのクルマや単車もやってくる。
入口を進むと、男湯、女湯と、左右別々のガラス戸(右)。でも中では番台をはさんで男女が顔が合うといった、銭湯の造り。おかみさんは朗らかという前評判どおり、笑顔で声をかけてくれる。「ウチは石鹸持参じゃないと困るけど、大丈夫?」→大丈夫です。脱衣所は地元のおっちゃんたちの社交場で、にぎやか。デカパン一丁でスマホで電話しているおっちゃんもいる。「うんうん、バッテリーがあがっちゃってね。先週の若い人に来てもらってよ。いやロールスロイスのほうじゃなくって…」→会話内容に笑ってしまう。浴室はけっこう広くて、タイル貼りの浴槽も大きい。ここは温度が40度ある源泉をかけ流しているが、カランのお湯もシャワーのお湯も源泉。おまけに床の小穴からも源泉が吹き出して、タイルが冷たくならないようにしてある。じゃんじゃんとお湯びたしだ。
お湯は40度の源泉そのままなのであろう。ぬるめで、色は無色透明。泉質は白鳥園と同じくアルカリ性単純泉。とにかくお湯に鮮度があって、生き生きとしている。白鳥園のお隣りなのに、こちらは甘いイオウの匂いがする。肌あたりはさらさら。浴槽でしばし瞑想にふけっていると、意識がシャキッとしてくる。仕事前の朝風呂にぴったりと言えるだろう。
規模は小さいけれど、そのぶん源泉を独り占めできる実感がすばらしい。初代館長が「広く大衆の皆様にお役に立つ施設を」という願いで命名したそうだ。そんな願いがケレン味がなく、好感をおぼえる。
「戸倉国民温泉」
026-275-0457
長野県千曲市戸倉2228-2
入浴料¥340-