途中に史跡・走り湯が現れます。走り湯という名前は、崖に開いた横穴から豊富なお湯が海に流れ落ちていたというのが、その由来。開湯は古く奈良時代。鎌倉時代に風呂からあがった源頼朝が、ここで源氏再興の旗揚げを決意したという。
 ここで話は横道にそれまして、そもそも「日本三大〇〇」という言い回しには、諸説が伴うものです。
 日本三大古湯も、道後温泉(愛媛県)、有馬温泉(兵庫県)は当確?ですが、さいごの一つはこの伊豆山温泉ではなくて白浜温泉(和歌山県)を推す文献もあります。
 伊豆山温泉はお隣りの熱海温泉と一体で語られることもあって、存在感が薄いのが気の毒ですね。
 がんばれ!伊豆山温泉!
 トンネルの中からはお湯が沸く音がして、もうもうと湯気が出ています。
 奥行きは10mくらいでしょうか。
 中に入るとサウナ状態。
 突き当りの源泉井戸から湧き出すお湯が、地面の側溝に流されています。
 井戸のお湯は70℃ですが、側溝に流されると指で触れることができるほど冷めて、なめると塩辛い。
 外に出ると、空気がうまい。
 こうして源泉地を見たあとは、入浴もしましょう。
 共同湯へ向かって、石段をさらに登ってゆきます。
←途中で、下を振り返ったところ。
 海風のない散策日和。
 青い矢印が、記念撮影をした看板で、白い星印が走り湯になります。
 奈良時代には、星印のところが海岸線だったんですね。
 なお走り湯は源頼朝と北条政子とのロマンスの地でもあるそうで、ここで修業をしていた頼朝のもとへ、別の男性との婚礼の宴をふり切って政子が駆け込んできた地だそうです。
 熱愛のエピソードからすればカップルの訪れるスポットになりそうですが、この日は卒業旅行とおぼしき大学生のグループばかり目につきました。
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