漁港を発つと、国道1号線を登ってゆきます。この千歳橋は、建造当時、箱根を訪れる欧米人を意識してデザインされたそうです。千歳橋を過ぎて、宮ノ下まで駆けのぼる。気温は20度とちょうど快適。ヘルメットの風防を開け、はじけるエンジン音を愉しむ。
 そして目的地の宮城野堰堤。(下)情報どおり、堰堤の桜はまだ残っていました。
 砂防堰堤が滝のようで西洋式庭園に見えなくもない。きょうの箱根は、欧州の香りだ。ふと、欧州の古いおとぎ話を思い出した。「誰に生まれ変わりたいか」、その希望をアルバムに書き込む、あれである。金ぶちの、青い革の装丁のアルバムに。
 もし生まれ変われるなら、いったい誰がいいかなぁ…?「〇〇」
柄じゃないね。「▽▽」苦労するかもね。「じゃ、□□ではどうかな」 う〜ん…結局、アルバムに書く、コレという本命は思いつかなかった。自分が枯れたジジイみたいで、ちょっと悔しい。
 でも僕は欧州人じゃないからね。で、貴方は青いアルバムを手渡されたら、誰に生まれ変わりたい?
 遊歩道に降りると、上から見下ろした時とは大違いで、桜はだいたい散っていることが分かります。でも、満開の時の人混みが想像つきますね。そう考えると、こうしてさいごの桜を “見納める” っていうのも、男の一人旅にはいいじゃないか。
 さて、花見のあとは温泉だな。この宮城野堰堤にある「強羅宮城野温泉・勘太郎の湯」を訪れました。
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