2019年6月1日(土) 晴れ 気温21〜27度
三連休が取得できたものの、天気予報で快晴なのは中(なか)日だけで、渋滞が心配される土曜日。やむなく5:10と、我ながらうんざりするくらい早い出発。21度とまだ肌寒いなか、関越を走る。BMWバイクに集団に追い越される。中の数人は、メッシュジャケット姿で縮こまっている。見ているこっちが寒くなる。
上信越道の、東部湯の丸ICからは暖かくなる。
県道81、82号線とつないで、9:20に別所温泉に到着する。ここまで所要4時間と、土曜日にしては悪くない。
ついに別所温泉の「石湯」、ここは真田幸村隠しの湯でもある。これで別所温泉の外湯「大師湯」「大湯」「石湯」を制覇したっ!と、鼻息が荒いものの、よく考えてみれば制覇に7年もかけているじゃないか。(苦笑)
別所温泉は、島根の玉造温泉、兵庫の有馬温泉とともに、日本最古の温泉である。
別所温泉の外湯もその歴史にちなんで、「大師湯」は仁慈大師、「大湯」は木曽義仲、「石湯」は真田幸村の伝承を持っている。僕の世代には、片岡義男『彼のオートバイ 彼女の島』の主人公コオとミーヨの別所温泉のほうが印象に残るが、それは「大湯」の旅で語り尽くしたので、ここでは割愛。
さて石湯だが、別所温泉の一番奥にあって、水路をはさんで山を背にしている。向かいの、小さいながらも立派な駐車場に停めると、軽トラのおじいさんが話しかけてくれる。
「この一列のコマ(愛機を停めた側)が一番良いのさ。他の列よりもちょっと幅が広いだろう?」
なおあとで気づいたのだが番台のおじさんが始終眼を光らせており、入浴以外では駐車できないようだ。入浴チケット(¥150-)を自動販売機で買って、入館。面白いのは内部の造りで、地下に降りて地下1階に脱衣所、地下2階に岩風呂がある。
お湯は無色透明で香りなし。けっこう熱くて42度くらい。連続走行で手のひらがしびれていたので、ほぐれて嬉しい。
泉質は単純硫黄温泉(低張性アルカリ性高温泉)だが、「大師湯」や「大湯」と比べるとお湯に濁りや香りがなくて、いちばん普通の温泉だ。風呂あがりはさっぱり感があって、極楽。
番台のおじさんと、塩田平(このあたり)の霧(よく出る)の話をする。おじさん「確かに朝晩はよく霧が出るけど、日中晴れてしまえばね。晴れれば信州はどこも同じです(笑)」思わず笑ってしまった。
別所温泉は共同湯の存在感が高くて、ライダーには居心地が良い。
悪あがきの信州
「別所温泉・石湯」 入浴料¥150-
長野県上田市別所温泉1641-1