今まで訪れなかったのは、僕が松本城周辺の慢性渋滞を敬遠していたから、これに尽きます。案の定、城の周りは渋滞していて、気温も28度。バテ気味でゲート(左)にたどり着く。
幸いゲートの先は、静かな街並み。緩やかな坂道に、古い旅館が軒を並べるようになる。ゆっくり時間が流れ、大都市・松本の只中にいることを忘れさせてくれる。
あいにく共同湯「仙気の湯」がお昼休みだったので、「枇杷(びわ)の湯」に向かいます。
珈琲も本格的なレギュラーコーヒーじゃなくて、自販機で、抽出中にルンバの音楽が流れるアレである。高速走行の余韻を楽しみながら、紙コップの珈琲を味わう。敷地の緑が萌えるよう。たまには高速道路中心の、マイペースの旅もいいかもね。
思えば人生あまりいい思いをしてこなかった… カツ丼くらいダブルを頼んでもいいじゃないか…
というわけで「ソースカツ丼ダブル(¥820-)」を選びました。
甘しょっぱくて、美味しい。ただ、ふつうのポーションにカツを1枚増やしただけなので、ご飯とのバランス悪し。
鷹揚というか、いい加減というか(笑)。いい加減な人生を歩んでいる僕には、ぴったりかもしれません。満腹になるなぁ(>あたりまえだ)。
さぁて、テラス(といってもテントの下のテーブル席)で珈琲でも飲むか。
松本ICでおりて、浅間温泉へと向かう。浅間温泉は江戸時代に松本城主が通った温泉で、明治時代には正岡子規や与謝野晶子にも愛されたという由緒ある名湯。
枇杷の湯は温泉街の一番奥、美ヶ原高原の原生林を背にした立派なお屋敷。(右)
この建物は、松本城主をもてなした御殿湯の詰所跡を、改装したものだそうです。現在は個人経営とのこと。文化財を立ち寄り湯にしてしまう大胆さと、松本財界人の懐の深さを感じました。
館内はちょっとした資料館になっており、骨董品が鑑賞できるようになっています。ここでもいつもと違う、おとなの旅。