そして国道は“自ら国道であることを放棄した” ような狭路になる。前方に何かを発見。セニアカーに鎌を積んだおじいさんが、道路わきをゆっくり走っています。
 おじいさん、農作業が終わって帰宅か…
 でも次の集落まで、まだそうとうな距離なのに…
 対向からゴミ収集車がきたので、僕らはセニアカーと接近しないように譲り合ってすれ違います。そんなローカル色の豊かな道です。
 道は急勾配を登る。坂の途中で見下ろすと、色鮮やかな棚田。(下)
 猛烈な草の匂いと、セミの鳴き声。
 これが僕の夏旅。
 次の国道353号線で松代に入ると、「美人林(びじんばやし) →」の道路標識が増えてきます。10時、目的地の「美人林」、ブナの保存林に到着しました。
 平日の午前中なので、駐車場には僕ひとり。愛機に革ジャンをひっかけて、身軽になって杉林のなかに歩いてゆきます。
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