炎天下の山田旅館の駐車場で、旅支度。
 暑い暑い。おっ、駐車場のホースから、清水がかけ流されています。吸水タオルを濡らす水を、ちょっと拝借… つっ、冷たいっ!水は、まさに手を切られるような冷たさ。
 僕はこの清水の冷たさを一生忘れないでしょう。
 小谷温泉を下りてくると、再び白馬の山々とご対面。(右) 無事に帰ってきましたぜ。いつもは難所を終えると「いやぁもうこりごりだなぁ」と思う一方で「また性懲りもなく来るかもなぁ」とも思いますし、前回もここで「もう、こりごりだなぁ」と思い、こうしてまた来ている。小谷温泉はそんなところです。
 時刻は11:30とまだ余裕がある。一攫千金を夢見て、ヒスイ(翡翠)を探しに、新潟の糸魚川に舵を切ります。
 ちょっとここで話は横道にそれまして、ヒスイは深緑の半透明な宝石。ここいらはフォッサマグナ(地溝帯)、地質学でいう東北日本と西南日本との境目があって、昔からヒスイが産出されます。
 宝石というと、地中で採掘する印象がありますが、この近くの浜では、普通に歩いていて拾えます!地名でいえば、朝日とか押上とか。そこの浜ではヒスイの原石を拾えるわけです。いずれも「ヒスイ海岸」といいます。何とわくわくする、人の強欲をかき立てる名称でしょう。おまけに浜で拾えるヒスイは、日本海に流れ込む川から長い年月をかけて、浜に流れ出したヒスイなんであります。
 その河原は小滝川ヒスイ峡といい、河原にはヒスイの原石がまだゴロゴロとあるらしい。これは行くしかあるまいっ、小滝川ヒスイ峡にっ!
 と、アクセルを開けた次第。
 姫川沿いに国道で新潟県に入ると、すぐ支流の小滝川に沿って分け入る道が現れます。案内看板もどこか控えめ。(上)
 一帯はジオサイト(自然保護区のようなもの)で、かつ天然記念物に指定されています。
 田畑もない原野の道。(右)
 素晴らしい。猛烈な草いきれの匂い。
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