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(左)脱衣小屋から、すでに巨石で囲んだ岩風呂が見えます。裸でおりると、眼の前が開けて思わず「おおっ」と声が出る。岩風呂は、河原から2mくらいあがったところ。正面には河原と原生林が広がって、解放感は抜群です。
 先客は赤銅色に日焼けしたおっちゃん一人。笑顔のおっちゃん「おっ、バイクで来たんだ?」彼は飛騨市の人で、今日はクルマだけど、休日には仲間とHarley-Davidsonのフルサイズに跨って来ているとのこと。
 おっちゃん「あれが槍ヶ岳だよ」
 画像(下)の中央、山の稜線からちょっとだけ顔を覗かせているのが槍ヶ岳だそうだ。こんなに離れていると、この岩風呂を「槍の湯」って称するのはやや苦しいのでは?(笑)
 ネーミングはさておき、槍の湯じたいは本当に素晴らしい。源泉が岩壁から注がれて、オーバーフローしたお湯は河原に流されている。
 泉質は炭酸水素塩泉。無色透明で、湯口の岩だけが成分で赤黒く染まっている。温度は41度くらい。肌あたりはさらさらとして、長湯ができる温泉です。
 なおこの岩風呂、手入れが実に行き届いていて、藻ひとつ落ち葉ひとつも落ちていない。これには正直感心した。
 しばらく彼とライダー談義をして、お先に…と、お湯からあがる。
 革パンを履いたところで、隣りの脱衣小屋からどやどやと若い女性グループ(バスタオル巻き姿)が出てきて、岩風呂におりてゆく。そういえば、ここ混浴だったな。
 僕は小さい布しか(※)なかったので、女性と鉢合わせしなくて良かった…。
(※)説明しよう。僕が昔から温泉巡りで使っている手ぬぐいは、「ダスター」という化繊のテーブル拭きです。ラーメン屋でカウンターを拭くときのアレである。100円ショップで3枚セットを入手する。吸水性が高く、乾きも早いので、冒険向き。また温泉成分が沁みついても、何回か使えば惜しげもなく捨てられるので衛生的でもあります。
 欠点は洗い場で「オマエ、何使ってるの?」という視線を感じること、そしてこういう場合の身体隠しには無力です。