話しをもどします。無事に共同湯の駐車場に到着したところ。むかしライディングスクールで坂道くねくね登りを訓練した甲斐があったというもんです。あのとき僕が選んだ練習車のCB1300は、275kgもありましたから。ただし教官から「坂の途中でコケたら、簡単に足が折れるから気をつけてね」と言われて、自分からCB1300を選んで青ざめたのはナイショだ。
また話しを山の湯にもどします。駐車場は皮肉にも広くて、管理人さんの小型自動車が駐めてある。建物は、黒々としたロッジ風。豪雪地帯らしくがっしりとした造りです。先客はおらず、貸し切り状態。浴室は天井が高く、青石張りの内風呂のみ。源泉かけ流し。湯口から源泉がほとばしって、驚くほど透明なお湯が浴槽に満ちあふれている。
風呂あがりに見あげると、空の高いこと。
夏草と青空。
そして気絶しそうに暑い。
直射で、革ジャンがじりじりと焦げるようです。
でも夏がいちばん好きだな。冬を好きになることなんてできないし。
下りもつづら折りに苦労しました。でもオヤジだから “ダンディにスマートに”ではなく、見苦しくヒイヒイ言ってもがいていないと、単車で旅する意味がないものね。そう考えると、きょうも正しい選択をしたわけだ。
身体を清めて浸かると、お湯は僕の好みの熱め。源泉は44度というから、源泉そのままでしょう。 泉質は単純硫黄泉ですがタマゴ臭はなく、時おりふわりと甘い匂いがして、これがいやされる。お湯はわずかにつるすべ感あり。肌あたりは柔らかくて、重厚ななかにもふんわりとした心地よさを感じます。素晴らしい。思わず快感のため息が出ます。しばし至福の瞑想のひととき。
風呂あがりの温浴感は強くて、汗は出るけれども、ぐったり感はありません。身体が軽くなっただけ。
名湯です。ただただ名湯ということに尽きます。
アプローチが険しくてつらかったことは、帳消し。
「湯元・山の湯」 入浴料¥500-
南魚沼郡湯沢町湯沢930
025-784-2246