玄関から渓流を臨む。本館のはじに露天風呂がある(矢印) 館内を歩いて渓流露天風呂にたどり着く。露天風呂の大きさと、植わっているバショウの大きさに驚く。
バショウは高さ3mを超える。バショウと比較して錯覚してしまうが、浴槽も15名くらい入れるほど大きい。立派なバショウで、陽射しが葉を透かし鮮やかな黄緑色。すっ裸で見惚れてしまった。信州の露地植えでこれだけ生き生きと育つのは、温泉の湯気のおかげだろう。浴槽の底が青緑色に塗られているのでこれも錯覚するが、お湯は無色で、透明度も高い。
手前の湯口に近いところは熱めで、バショウより向こう側はぬるい。泉質は単純温泉 (弱アルカリ性低張性高温泉)の源泉かけ流し。わずかに石膏っぽい匂いがある。岩には白い温泉析出物がこびりつく。肌あたりはさらりとしたもの。身体を圧してくる感じがなくて、長湯ができる。風呂あがりは身体が柔らかくなり、汗がどっと出る。
いいお湯だったが、建物はいわゆる「昭和レトロ」で、設備もそうとう古い。加えてこの露天風呂は、僕の苦手な男女混浴(女性は湯浴み着可)。大自然のなかの岩風呂とは雰囲気が違うので、女性が入ってくるかと思うと落ち着かなかった。男女別の共同湯の「文殊の湯」のほうが好き。バショウは素晴らしかったが。
愛機を、温泉街の無料駐車場に移動させる。温泉街は、ホテルを建築する作業員の往来や話し声で、活気がある。右に写る「おきな菓子舗」もきれいに改装されていた。渓谷におりて、史跡の五台橋を見ておこう。