もと来た三才山トンネルに戻る。三才山トンネルで思い出すのは、別所温泉の大師湯で、地元のおっちゃんたちが、僕が松本に戻るルートはどこがいいかと議論を始めたことだ。僕にとっては共同湯ならではの楽しい思い出。このトンネルが無料化されて、あのおっちゃんたちも「あゝ便利だ便利だ」と喜んでいるだろう。
 五台橋は昔のまま、時間が止まっているかのようだ。観光マップによると、この渓谷でムササビやモモンガが見られるはずだ。
 じつは橋を見下ろす巨大なタワーホテルが建っていたが、橋とのあいだにウッドデッキを設けるなど、景観が壊れない配慮をしてあって、好感がもてた。
 風呂あがりに文化財で涼む、お気楽なおやじ。(右) 
 世の中の人は、ひなびた温泉にホテルが林立すると風情がなくなるという結論をはなはだしく好む。でも僕は鹿教湯温泉の変化をみて、むしろ好印象をもった。三才山トンネルが無料になり、ここは交通の要衝として意識されている。またホテル客で温泉街も活性化されるかもしれない。そしてホテルのお食事処やお土産コーナーはどうしても宿泊客専用になるので、僕ら外からの立ち寄り客を対象としたお店も増えてほしい。そして肝心の温泉は、むかしと変わらずとてもいいのだ。いい変化が起きるのでは?
 鹿が教えてくれるあしたの鹿教湯は、ステキかもしれない。
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