下部温泉会館は坂の途中で、うしろは渓谷。駐車場の日陰に駐めて、入館します。造りは温泉銭湯で、内風呂がひとつだけ。お湯は無色で、適温よりちょっとぬるめ。加水で循環式だそうです。泉質はアルカリ性単純泉。嬉しかったのは、お湯が新鮮で、爽やかな草木のような香りがある。あゝリラックス。効能の張り紙を読むとイオウの含有もあるようで、なるほどと膝をうつ。浴槽でご一緒したご高齢のおじいちゃんと話す。ぶどうの生産をされている方で、毎年、出荷を終えると、下部で骨休めをしているそうです。ことしは急に台風が来たからお疲れさまでした。おじいちゃん「この会館は今年いっぱいで閉館なんだよ」 えっ?そうなんですか?「風呂あがりにゴロゴロしたかったけど休憩室はもう利用できなくてねぇ。ほかを問い合わせたんだけど、きょうは下部のホテルや旅館はすべて満室だったよ」閉湯まえに立ち寄れて、幸運だった…。
なお1年後には新たな立ち寄り温泉の施設ができるとのこと。それまでは、草木の香りのする温泉とお別れです。
愛機に戻って旅支度。せっかく日陰に駐めたのに、ひなたが明るすぎて手もとが暗くて見えづらい。先ほど渡ってきた踏切まで戻って、お昼ごはんをいただきましょう。
平屋なのが「下部温泉」の駅舎。駅前ロータリの駐車スペースに駐める。しいんとして静か。時間がとまっているみたい。白い舗装の照り返しが眩しい。ホームページのタイトルどおり。ロバを木陰につないで、ぼんやり、というのにぴったりな情景に、いま僕はいる。
左の建物が、お世話になる「丸一食堂」。大きいお食事処で、休日は行列ができる繁盛店だそうです。ノレンをくぐると先客は6割ほど。平日なので大半は外回りの男性連れ。僕が食べ始めたときは満席になりました。
「下部温泉会館」 入浴料¥500-
南巨摩郡身延町下部1130-1 0556-36-0124
「丸一食堂」 0556-36-0045
南巨摩郡身延町常葉7052-15