「うらり」から出ると、外に並ぶマグロ料理店を覗いてまわる。「くろまぐろ鮨 たち吉」の前で、立ち止まる。マグロのなかでも最高級なのがクロマグロ(本まぐろ)ですが、クロマグロは、なにしろ高い。
このお店は以前に訪れているけれど、いただいたのは尾の身のカツレツでした。尾の身の筋というか軟骨が、揚げることで溶けて、脂っこい食べ応えのある魚カツになる。なおクロマグロでも、尾の身ならばいくぶん安い。このカツもおいしかったけれど、刺身にはかなわないんだよなぁ…
回想からひき戻すように、おかみさんが声をかけてくれる。
おかみさん「いかがです?」 いいお値段ですね。 おかみさん「そりゃクロマグロだもの」 そうだよね、相手は最高級のクロマグロだものね…。でも看板を見てるうちに、ヅケ丼はお値打ちであることに気づく。よしっ、春を迎えられたお祝いなんだから、はりこもうかっ! おかみさんに招かれて、ノレンをくぐる。
これが「クロマグロ(本まぐろ)のヅケ丼(¥1,800-)」、ご飯は酢飯です。 あら汁と小鉢(大根の煮物)がつく。大根に添えられたのは、鮪味噌だという。
まずはマグロひと切れとごはんを… わはは、おいしいぞ!桁外れにおいしい!
クロマグロって、コクというか旨味というか、濃いんですね。またわずかな酸味もあり、それがまたいい。ほどよい脂がそれらをまとめて、口のなかに余韻を残すところも素晴らしい。ふた口めはおいしさが総攻撃してくる感じ。み口めからは、「この至福は、残すところあと〇くちでおしまいだなぁ」と思いつつ味わう。
大根の煮物にのる鮪味噌も、鮪の味がする。どうやったら鮪の味噌になるのかしら?
クロマグロ大満足。ごちそうさま。
「鮨処たち吉」
046-882-6965
神奈川県三浦市
三崎5-2-6