鰍沢温泉「かじかの湯」は、大きい建物で、駐車場も広大だ。どこに駐めようか迷っていると、入浴セットを持ったおっちゃんが、手招きで「ここにとめろ」と誘導してくれる。ありがとうございました。町営バスの時刻表を見ると、一日3本しかない。マイカーを駐める広い駐車場が必要なわけだ。
停まると暑い。薄着にならないと。入浴セットと、着替えのTシャツとを持って入館する。
浴槽は大浴場と、屋根のある露天風呂。大浴場ではジャグジーが盛大に音をたてている。お湯は透明で、ぬるめ。37度の源泉を加温し、循環と追い湯をしているそうだ。泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉で、肌あたりはさらりとしている。入浴客がみんなあがってしまうと、ジャグジーの音だけ響くなか、ひとりじゃさびしい。
風呂あがりは身体が軽くなり、節々が柔らかくなっている。これは嬉しかった。脱衣所で、駐車場でお会いしたおっちゃんが、「ツーリングの方?」と声をかけてくれる。しばしすっ裸で温泉談義。
温泉を出て駐車場で旅支度。陽射しは強いけれど爽快だ。着替えて正解である。
かじかの湯は施設の大きさにしては入浴客が少ないこと、僕より若い人には会わなかったことが心に残った。時間がゆったりと過ぎてゆく、いい温泉である。
もと来た土手道を走る。休憩所でひと休み。ここは土手を利用した小高い広場。以前から立ち寄りたいと思っていた。土手道から南アルプスが見えるので、ここだったらいっそうきれいに見えるだろうと…。
でも、この休憩所からは、工場越しに南アルプスを臨むようになって、良い眺めではなかった。
期待はずれ。
まわりは、木陰の車内でコンビニ弁当を食べている営業マンばかり。ゆるい時間が流れている。じゃましても悪いので、麦茶をひと口飲むと、すぐに出発する。
「甲州鰍沢温泉 かじかの湯」 0556-27-0002
山梨県南巨摩郡富士川町鳥屋137-1
入浴料¥730-