タイル張りの露天風呂は大きくて、14〜5人は楽に浸かれそう。ごくわずかに緑茶色のお湯が満ちています。泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉と、ごく一般的。けっこう熱め。源泉は55度で、あとで従業員の方に伺うと、直接流し込んでいるそうです。無臭といえば無臭なのですが、清潔な匂いがあります。
眺めを楽しみながら瞑想にふけっていると、効能がゆっくりと身体にしみ込んでくる快感に気づきます。お湯は熱めなのに長く浸かっていられる。ここは、当たり中の当たり、です。実力では名湯かもしれない。
先ほどのおじいちゃんが露天風呂に移られてきたので、お話しをします。93歳。温和で礼儀正しい方。僕も笑顔で、でも背筋がしゃんと伸びる。毎日もうひとつの温泉で朝風呂に入ってから、明神館でくつろぐのが日課という。玄関に男っぽいセニアカーが駐まっていたから、あれで来られているのかもしれない。
おじいちゃん「いかがですか?ここは。浅間がきれいに見えるでしょう?」「湯面に小さな蜂がいますが、あれはミツバチで人は刺しません。温泉を飲みにくるそうですが、可愛いじゃないですか」「わたしは湯の丸の出身なんですよ。おお!湯の丸をご存知ですか」「ここに来られたら、ぜひ布引観音も見て帰ってください。おお!布引観音も行ったことがおありですか」 郷土愛にあふれた、気持ちのいい方でした。いつまでもお元気で。
さいごに大浴場にも浸かりましたが、お湯はまったく同じ。好印象です。
風呂あがりはどっと汗が出て、でも駐車場で身支度をしていると、ゆるんだ気持ちに高原の風が気持ちいい。
到着したときすれ違ったセニアカーのおばあちゃんが、わきを通ってお帰りなので、会釈をする。
明神館はお湯はいいし、設備はきれいだし、文句なくお薦めします。
しかし久しぶりに布引観音、行ってみたくなりましたね。あしたのルートは変更だ。
温泉を発つと、きょうの宿である塩尻へと向かいます。上田、小諸、佐久のあたりは宿がおさえられなかったのですが、新和田トンネルが無料化されたので、気持ちとしては楽です。気温は24度。そういえばビーナスラインも24度でしたから、一日ほとんど変化がない日も珍しい。傾き始めた西陽を浴びて新和田トンネルをくぐると、諏訪側は27度で、むし暑かった。
16:40に、ルートイン塩尻にチェックイン。きょうの総走行は320km。