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 ゲートウェイ函南を出ると、旅の目的、長岡古奈温泉の共同湯、「あやめ湯」に向かいます。
 伊豆にはご存じ「日本三大古湯」の、伊豆山温泉の「走り湯」があります。(残りは道後温泉(愛媛県)と有馬温泉(兵庫県)、あるいは白浜温泉(和歌山県)という説もあります) いっぽう伊豆半島の「伊豆三古湯」というのもありまして、さきほどの伊豆山温泉の「走り湯」と、修善寺温泉の「独鈷の湯」、そして長岡古奈温泉の「あやめ湯」なのだそうです。由来となるあやめ姫はこの伊豆長岡で生まれて、ヌエ退治で有名な源頼政(みなもとのよりまさ)と結婚する女性。宮中一の美女だったという。ともあれ伊豆三古湯もこうして“王手”をかける。
⇒伊豆三古湯の
 修善寺・独鈷の湯はコチラ
⇒伊豆三古湯の
 伊豆山・走り湯はコチラ
 あやめ湯は、源氏山公園を背にした路地の突きあたり。地元客が自転車で利用する銭湯ですが、一般客も入浴できます。予定どおり午後の営業に一番乗りで、お客さんは僕ひとり。
 建物は外も内部もぴかぴかに磨かれていて、共同湯にありがちなモップや雑巾を干している光景もありません。その清潔感に背筋がしゃんとする。5~6人でいっぱいという小ぶりの浴槽は、タイル貼りでヒノキの廻り縁。湯口から透明なお湯がじょぼじょぼと流し込まれています。身体を清めると、浴槽へ。
 熱い!…けれど肌あたりがさらさらで柔らかいので、熱さにはすぐ慣れる。慣れてしまえばこっちのもんです。
 澄んだお湯を楽しむ。泉質はアルカリ性単純温泉で、効能は穏やか。修善寺温泉の筥湯(はこゆ)と似たものを感じます。こっちのほうが熱くて好みですが。風呂あがりはさらっとしていて、ほてりはすぐ消えます。さっぱりした浴感の温泉でした。なお駐車場は3台分だけですが、近くの市民センターの駐車場が開放されていて、駐車に困らないのが嬉しい。
 温泉を発つと帰路につきました。帰宅は16:12、総走行は303km。
 旅の目的はこの長岡古奈温泉だったのですが、絶景の富士山に主役の座を奪われた一日でした。
「あやめ湯」 055-948-3840 静岡県伊豆の国市古奈72-1 入浴料¥300-