barracuda-second017004.gif
 この日は湯沢の「駒子の湯」。川端康成の「雪国」のヒロイン「駒子」にちなんで名付けられた共同湯です。映画の展示コーナーもあって、初代駒子の岸恵子から、若尾文子、八千草薫と、往年の大女優さんの駒子姿も見ることができる。八千草薫の駒子は、芸者というより姫君のようです。
 浴槽は15人ほど入れるタイル貼りの内風呂のみ。無色透明のお湯に、数人のおっちゃんが、黙って浸かっている。僕も身体を清めてお仲間へ…。源泉は57度。浴槽のお湯もやや熱め。泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉。肌あたりはわずかにキシキシ感がある。お湯には、身体をおしてくるような重めの感じがあって、それが雪国の温泉らしい。風呂あがりのほうが好印象で、ぽかぽかとした温浴感が実に心地よかった。
 あらためて建物のぐるりを散策してみます。街はずれの高台なのに、まるで山奥のような景観になっているのがおもしろい。越後湯沢を代表する、ムード抜群の共同湯でした。
 渋川に戻ると、「登利平」の弁当販売所で晩ごはんを入手して、15:20にルートイン渋川にチェックイン。「鳥めし松弁当(¥900-)」は、あっさりムネ肉とコクのあるモモ肉の照り焼きがご飯のうえに敷かれたお弁当。上州ではイベントの仕出しに欠かせない逸品で、まさにソウルフードと言っていいでしょう。
 ひと口食べて、思わず笑顔になる。タレで照り焼きされた鶏肉が、香ばしくて絶品です。モモ肉は香川県丸亀のとりもも肉のソテーと似かよった味ですが、ムネ肉のほうは登利平独特のもので、醤油ダレがしみ込んだ鶏ハムを思わせるおいしさ。地元でも、ムネ肉だけの「竹弁当」のほうが好まれるのが理解できます。
 晩ごはんでいただく登利平のお弁当、ごちそうさまでした。
 きょうの総走行は335km。
 あしたはいよいよ六日町の五十沢温泉です。
「下湯沢・駒子の湯」
入浴料¥500-
南魚沼郡湯沢町湯沢148 025-785-7660