ところがお店に着くと、扉に貼り紙が。
 「都合で今日だけお休みします。ごめんなさい」
 … まぁ、こういうこともあります。
 しかし、お昼ごはんはどうしよう。ネット検索をしても、リゾート地のカフェみたいな店はあるけれど、このウェアで入るのは嫌だし。おっ、ツーリングマップに「産直品の販売所に併設する食堂が、地元住民に好評」と記されています。ここが良さそう。
 いそいそと関所をあとにします。
  
 店内も家族連れや農家のおっちゃんでいっぱい。でもお客さんの波がひけるタイミングでした。
 手打ち蕎麦がおすすめのようなので「冷やしかきあげ蕎麦(ニ・八)¥790-」の釦を押す。
 カウンター席に陣取って、店内を観察。厨房のおかみさん達が生き生きと働いています。顔見知りのお客さんが来ると、「きょうは暑いねえ」と朗らかに挨拶。家族連れは笑顔でのんびり食事して、農家のおっちゃんは食べるとさっと出てゆく。観光客ではなく、地元客で大繁盛するお店。
 やがて僕の番号が呼ばれて、お盆を受けとって、いただきます。さっそくひと箸たぐって…うまい。冷水でしめた蕎麦は、つなぎ入り蕎麦粉の喉ごしの良さと、シコシコとした独特の歯触りが楽しい。じゃがいもとにんじんの天ぷらもなかなかイケる。量もちょうどいい。評判どおりで、おいしかった。ごちそうさまでした。  
 でもこの蕎麦のシコシコとした歯触り、どこかで記憶が…と、返却口に貼ってある地元紙の切り抜きが目にとまる。「当店は蕎麦のつなぎにオヤマボクチ(山ごぼう)を使用し…」 あっ、これ、幻の富倉そばだ!
 「妙高山麓直売センター・とまと」は、国道を北に5kmほど走ったところ。駐車場はほぼ満車でしたが、なんとか駐められました。
 販売所の右端にあるのが「お食事処・妙高」。
2009年8月の富倉そば
2011年9月の富倉そば
2014年7月の富倉そば
 考えてみれば妙高から山ひとつ越えれば、長野県飯山の富倉地区ですもの。しかし奇遇だなぁ。「美味しいものは出合い」って言われるけれど、関川のお食事処が休業だったおかげで、嬉しいサプライズ。
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