麻釜の湯は、浴槽のわきで衣服を脱ぐ、典型的な外湯スタイル。
泉質は含硫黄ナトリウムカルシウム硫酸塩泉。
黒く塗った小さな浴槽に、透明な温泉がかけ流し。わずかにイオウの甘い匂い。お湯には茶色い湯の花が舞っている。
浴槽に蛇口があるので、すこし注水して、湯もみ板でかき混ぜて入浴。そうするとあっさりと“熱め”くらいの温度になった。激熱湯も午後にはぬるくなるのか?
あゝ… 極楽極楽。熱めだけど、いい湯だ。
肌あたりはさらさらですが、浴感は柔らかいなかにも重厚さがあって、効能が入ってくる感じ。
湯面に窓格子の明かりが映るのをぼんやりと眺める。至福とはこのことだ。
麻釜の湯は “すべてがいちばん野沢温泉らしい外湯”と評価されるが、まったく同感である。
真湯は温泉街の外れで、新しい住宅やプチホテルが集まる高台にある。
人気の外湯で、お湯の色がきれいで色合いも日々変わるそうだ。
たしかに小さな浴槽を満たすのは、ミルキーなエメラルドグリーン色のお湯だ。濃い硫黄泉で、湯のなかには黒い湯の花も舞っている。鮮やかな色に、思わず歓声をあげてしまう。
温度は麻釜の湯より熱く、少し注水したぐらいでは、まだ激熱に近い。
でももし、これでぬるかったら、万座温泉と同じだものなと頭をよぎる。
真湯も効能が強く、身体に圧を感じる。
甘いイオウの匂いも、いちばん強かった。
外湯も三つめでぐったりとしてきたが、もうひとふんばり。
さいごは横落(よこち)の湯。
麻釜の湯は、極楽極楽
真湯は、“才色兼備”